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ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》はどのように聴かれたか

品番/ISBN: 9784393932292
メーカー/出版社: 春秋社
著訳者: 清水康宏:著
発売/発行年月: 2023年2月
判型: 四六
ページ数: 308

ベートーヴェン晩年の「異化された大作」(アドルノ)である《ミサ・ソレムニス》。教会音楽の形式を持ちながらもしばしば“非典礼的”とされてきた本作品の受容史を通じて、19世紀ドイツの「芸術」と「宗教」と「教会」の複雑な関係性を浮き彫りにする。

【目次】

序論 「楽聖」の「問題作」
1 《ミサ・ソレムニス》とはどのような音楽か
2 一九世紀のドイツ語圏における《ミサ・ソレムニス》論
3 「芸術」「宗教」「教会」
4 ホフマンの問い
5 なぜベートーヴェンのミサ曲が問題となったのか
6 《ミサ・ソレムニス》研究と「世俗化論」
7 本書の構成

第I部 プロテスタントによる《ミサ・ソレムニス》論
第一章 新時代の宗教音楽としての《ミサ・ソレムニス》
1 《ミサ・ソレムニス》の“声楽の困難さ”と“器楽の優位”
2 《ミサ・ソレムニス》における「聖」と「俗」との「和解」
3 声楽と器楽が渾然一体となる《ミサ・ソレムニス》
第二章 ベートーヴェンの「神秘主義」的教会音楽
1 《ミサ・ソレムニス》のなかの「疑念」
2 ベートーヴェンの「楽器の世界」
3 「神秘主義」的教会音楽としての《ミサ・ソレムニス》
4 言葉と音が一体となる「音楽ドラマ」の失敗
第三章 「フモリスト」ベートーヴェンの教会音楽
1 「見せかけのミサ曲」としての《ミサ・ソレムニス》
2 音楽の「錯誤」としての「超越」
3 「フモリスト」としてのベートーヴェン
4 《ミサ・ソレムニス》は“教会音楽”ではなく“芸術音楽”?

第II部 カトリックによる《ミサ・ソレムニス》論
第四章 “未来のドラマ”としての《ミサ・ソレムニス》
1 《ミサ・ソレムニス》論とヘーゲル哲学
2 《ミサ・ソレムニス》による「新しい道」
3 “未来のドラマ”としての《ミサ・ソレムニス》
第五章 《ミサ・ソレムニス》の“弁証学”
1 ベートーヴェンの音楽の三分類
2 《ミサ・ソレムニス》の“弁証学”
3 「真の教会様式」としての《ミサ・ソレムニス》
第六章 「教会音楽」と「宗教音楽」
1 「教会音楽」と「宗教音楽」との区分け
2 「教会音楽」ではないウィーン古典派の三巨匠の教会音楽
3 宗教的な感情と礼拝
第七章 音楽における「教会的」とは何か
1 「非教会的」なハイドンとモーツァルトのミサ曲
2 「非教会的」であるが宗教的な崇高さを持つベートーヴェンのミサ曲
3 音楽のカトリック(普遍)性
4 《ミサ・ソレムニス》は“芸術音楽”であるがゆえに“教会音楽”?

結論 典礼と芸術
1 一九世紀半ばのドイツ語圏におけるカトリックの動向
2 ミサ曲と「ドラマ」
3 教会音楽、宗教音楽、芸術宗教


あとがき
ミサ・テキスト対訳
参考文献
索引

音楽のなかの典礼

型番 9784393932292【N】
ポイント 192pt
販売価格 3,850円
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