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著者:市川裕

発売日: 2019/01/22

ページ数:224頁

判型:新書判

ISBN:978-4-00-431755-5

出版社:岩波書店



啓典の民、離散の民、交易の民、さまざまな呼び名をもつユダヤの人びと。苦難の歩みのなか、深遠な精神文化を育む一方、世を渡る現実的な悟性を磨いてきた。歴史をたどりながら、その信仰、学問、社会、文化を知る。



目次



はじめに

序章 ユダヤ人とは誰か

 ポーランドにて/「真正のユダヤ人」

第1章 歴史から見る

第1節 古代のユダヤ人たち

 イエスの出現をどう捉えるか/賢者輩出の時代/啓示法の宗教

第2節 イスラム世界からヨーロッパへ

 忘れられた歴史を補う/イスラムとともに/啓典の民/地中海社会での繁栄/アルプスを越えて/スファラディとアシュケナジ/レコンキスタとスペイン追放/新キリスト教徒の再改宗/安住の地ポーランド/シュテットルの生活

第3節 国民国家のなかで

 メンデルスゾーン/フランス革命の衝撃/われわれは何者か?/ポグロムの恐怖/アウシュヴィッツへ/世界帝国の興亡とユダヤ人/「ユダヤ人」という選択肢

第2章 信仰から見る

第1節 ラビ・ユダヤ教

 ユダヤ教は宗教なのか/ユダイズムとユダヤ教/ユダイズムとは何か/持ち運びのできる国家/二重のトーラー/ラビたちの決断

第2節 ユダヤ教の根本原則

 トーラーに従って生きる/神殿の供犠/シナゴーグの礼拝/シュマアの朗読/十八祈禱文,十戒,六一三戒
第3節 神の時間秩序

 安息日/一年のサイクル/一生のサイクル/祈りの生活/制度化された断食

第4節 「宗教」としてのユダヤ教

 東欧における神秘主義の浸透/近代のユダヤ教再定義/世俗化したユダヤ人と民族主義/二つの定義・三つの集団

第3章 学問から見る

第1節 タルムードの学問

 トーラーの学習/イェシヴァ/タルムードの普及/タルムードのテキスト

第2節 論争と対話

 師匠への奉仕/モーセに基づかせる/矛盾をぶつけることの真意/ラビたちの議論

第3節 ユダヤ哲学

 ギリシア哲学による挑戦/イスラム世界のギリシア哲学/哲学者マイモニデス/律法典の形成/『シュルハン・アルーフ』による統合

第4節 ユダヤ精神の探究

 東欧の肥沃な精神世界/ヴォロジンのイェシヴァ/エリ・ヴィーゼルと二人の師/学ぶことは生きること/正真正銘のラビとの出会い/世俗教育との両立

第4章 社会から見る

第1節 ユダヤ人の経済活動

 商業と金融の民/利子取得の正当化/マルクスの主張/利子取得の二重基準/ロスチャイルド家

第2節 ユダヤ人の人生の目標

 神に選ばれた民/ノアの七戒と十の心得/慈善と慈しみの行い/施しの八段階

第3節 近代メシア論

 二つのメシア論/シオニズム/離散ユダヤ人は捕囚民か/ユダヤ的百家争鳴

第4節 ユダヤ社会の現実

 ヘブライ語の蘇生/混合婚をめぐる議論/二極分化するユダヤ社会/イスラエル社会の現実/イスラエル国家のゆくえ/棄民の視点から

文献解題

 歴史について/ユダヤ教について/ユダヤの宗教思想について/ユダヤ思想史について/トーラー註解について/タルムードについて/ユダヤ百科事典『ジュダイカ』

あとがき

ユダヤ人とユダヤ教

型番 9784004317555
ポイント 42pt
販売価格 858円
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